第四回 キャンバスに穴?
今回紹介する作家は・・・
【ルーチョ・フォンタナ】
フォンタナは20世期のイタリアの美術家・絵画家・彫刻家です。
前衛芸術運動に様々な影響を与えたとても重要な作家として知られています。
彼の創る作品は世間一般的に絵画と呼ばれる作品とは少し違っています。
それは一見すると、画家としてはタブーとされる試みだったかもしれないし、
今までの絵画作品のイメージを大きく覆すものでした。
その作品がこちら→
「空間概念・期待/Concetto spaziale, Attese」
1965年 油彩・キャンバス 72×60cm
フォンタナはこのシリーズの作品に「attesa/attese」という題名を付けました。
意味はイタリア語で「期待」です。この題名には作品との明確な結びつきがあります。
キャンバスに入っている切れ目が単数の場合、「attesa」と付け、切れ目が複数の場合
は「attese」と付けました。
なぜ期待なのか。それはフォンタナが「絵画の閉鎖された空間を超えて無限に広がるように」と込めた期待なのです。
フォンタナは何世紀にも渡って行われてきた、壁に付けられた窓を眺めるような絵画の鑑賞方法を一掃したいという願望からこの「空間概念」のシリーズを制作したとされています。
絵画でもあるが、彫刻でもある。
この固定されない作品のあり方はある種、哲学的な思考を要求させられます。
皆さんはこの作品を観て何を感じましたか?
ではまた。